皮膚を知り尽くしているから、できること。

シワに関するin vitro評価

特徴

加齢や光老化によってシワやたるみを生じた皮膚では、 真皮のⅠ型コラーゲンが減少していることが知られています。真皮には、Ⅰ型コラーゲン、エラスチン、 ヒアルロン酸などの細胞外マトリックスとよばれる成分があります。これらは、線維芽細胞が産生する酵素により分解されます。これら細胞外マトリックス成分の合成分解のバランスの変化が、皮膚のシワやたるみの原因のひとつとして考えられています。

概要

コラーゲン合成試験

線維芽細胞が合成するⅠ型コラーゲン量をELISA法にて測定します。検体によるⅠ型コラーゲン合成促進作用を評価することができます。また、紫外線によるⅠ型コラーゲン合成量減少に対して、検体の抑制作用を評価することができます。

ヒアルロン酸合成試験

繊維芽細胞あるいは表皮細胞が合成するヒアルロン酸量をELISA法にて測定します。皮膚の水分保持能および弾力性・はりに大きく影響するヒアルロン酸の産生を促進する検体は、加齢によるシワやたるみに有用な成分としての可能性があります。

MMP-1抑制試験

紫外線によって増加するMMP-1およびそれに対する検体の抑制作用をELISA法を用いて評価します。Ⅰ型コラーゲンを分解するマトリックスメタロプロテアーゼ-1(Matrix mettaloproteinase-1, MMP-1)は、紫外線によってもそのタンパク量が増加し、さらに活性も亢進されることが明らかになっています。これは、従来考えられていた以上に、日常的にあびている紫外線が皮膚に大きく影響している事例の一つです。MMP-1タンパク合成を阻害あるいは酵素活性を抑制する検体は、真皮のⅠ型コラーゲンの分解を抑制し、抗老化有効成分としての可能性があります。

エラスターゼ活性阻害試験

ヒト由来線維芽細胞の粗酵素液を、検体および擬似エラスターゼ基質と反応させます。基質分解による発色を検出することで、エラスターゼ活性を測定します。エラスチンはコラーゲン線維束を支える役割を持つ線維であり弾性線維とも呼ばれており、加齢によって減少することでシワの原因のひとつとなると考えられています。エラスターゼはエラスチンを分解する酵素で、この酵素活性を阻害する検体は、抗老化有効成分としての可能性があります。

擬似老化細胞を用いた評価

過酸化水素刺激によって老化誘導した線維芽細胞を用いて各種試験を行います。加齢による細胞応答の変化を評価することが可能です。

老化モデル線維芽細胞

特徴

 老化様の特徴を有する「老化モデル線維芽細胞」を過酸化水素の連続暴露により調製します。通常の新生児由来細胞を用いる試験と異なり、実際の加齢に近い状況で抗老化剤の評価が期待できます。

 

調製した老化モデル線維芽細胞は、細胞形態が老化様に変化することに加え、senescence associated β-galactosidase(老化マーカー)の陽性染色、細胞増殖能の著しい低下が確認されています。

さらに、細胞の抗酸化能低下やコラーゲン分解酵素(MMP-1)の産生増加なども確認されており、生体老化を反映するモデル細胞としての利用が期待されます。老化細胞としては、高齢者から採取した細胞を用いることも考えられますが、個体差によるバラツキが考えられることから、安定して再現性の高いデータ採取が可能な、過酸化水素の連続暴露による老化モデル線維芽細胞の使用を推奨します。

試験概要


<老化モデル線維芽細胞を用いた抗老化作用(単独)>

調製した老化モデル線維芽細胞を、検体を溶解した培地にて培養します。所定期間培養後の細胞の応答を評価します。評価項目としては、細胞増殖、コラーゲン産生、MMP-1産生抑制、各種抗酸化能に関わる試験などが考えられます。

 

<老化モデル線維芽細胞を用いた抗老化作用(老化による応答性の比較)>

新生児由来の線維芽細胞と、この細胞を過酸化水素で老化誘導した「老化モデル線維芽細胞」を用いて、試験検体の細胞応答性を比較します。評価項目としては、細胞増殖、コラーゲン産生、MMP-1産生抑制、各種抗酸化能に関わる試験などが考えられます。

AGEs刺激による線維芽細胞のサイトカイン誘導抑制作用評価

終末糖化産物 (Advanced Glycation End products, AGEs) は、皮膚の老化に伴い増加することが知られています。具体的には、ハリや弾力の低下、くすみなどの原因になると言われています。

 

線維芽細胞にAGEsを処理することで、AGEs刺激による炎症性サイトカインの過剰誘導を検出し、さらにこの過剰誘導に対する検体の抑制作用を評価することで、AGEsによる皮膚老化ループを食い止める効果を確認できます。