角層診断~酸化ストレス~
特徴
テープストリッピングにより採取した角層から、皮膚の状態を診断することができます。
さらに角層には皮膚機能に関与する様々なタンパクが含まれており、その活性やタンパク量を測定することで、皮膚の状態を詳細に診断し、サンプルの皮膚に対する作用などを評価することができます。
試験概要
酸化ストレスに関与する防御酵素(カタラーゼ)活性や角層タンパクのカルボニル化を評価することで、皮膚に対する酸化ストレスの指標として用いることができます。
酸化ストレス
酸化ストレスとは、活性酸素(ROS)が過剰に発生し、体がサビついた状態で、老化の原因とも考えられています。
酸化を防御するために抗酸化物質や抗酸化酵素があります。
特に紫外線によるROSが発生すると抗酸化酵素 (カタラーゼ) が放出されます。
また、角層を構成するタンパクのカルボニル化を亢進させます。
試験内容
カタラーゼ活性
紫外線に曝されている露光部位とあまり曝されていない非露光部位を比較すると、露光部位でカタラーゼ活性が減少します。
これは紫外線によってカタラーゼ量が減少しているためです。
このように活性を比較することで、酸化ストレスの指標として用いることができます。
FTSC染色
蛍光色素FTSC (Fluorescein – 5 - thiosemicarbazide) 染色をするとカルボニル化が亢進した角層細胞が蛍光を発します。
カルボニル化の亢進を蛍光強度で評価することで酸化ストレスの程度の指標とすることができます。
倫理審査委員会による審査
ヒトを対象とした評価試験の場合、試験実施前に倫理審査委員会による審査が必要となります。
▶ 倫理審査委員会