皮膚を知り尽くしているから、できること。

025 意外と知らない?ガイドライン準拠シワ試験の中身と判定方法

2026.5.13

シワに対する効果を確認するための評価法として「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」があります。2006年に策定され、2011年から化粧品の効能として「乾燥による小じわを目立たなくする」という標ぼうが可能になってから十数年が経過しました。

 

 効能表示の内容については、皆さまよくご存じかと思いますが、

「どのような評価か」「どんな結果が出れば効能表示できるのか」をご存じでしょうか?

本コラムでは、あまり語られないガイドライン準拠抗シワ試験の中身について、受託評価の専門家が解説していきます!


どんな評価をするのか

化粧品を対象に行う評価では、目視評価・写真評価・機器評価の3つを行います。いずれも試験サンプル使用前後で、目尻のシワ改善の有意な差が得られるかどうかを確認していきます。

 

目視・写真評価では、皮膚科医または医師監督下で熟練評価者が、シワグレードの標準写真に照らし合わせて、被験者のシワグレードを評価します。

機器評価では、下の3つの方法が選定されています。機器評価では、シワの面積や深さを解析します。

それぞれの解析方法の違いは、次で解説していきます。

1. レプリカによる斜光照明を用いた二次元画像解析法

2. レプリカによる三次元解析法

3. In vivo(直接法)での三次元解析法

 

また、評価対象が「化粧品」なのか「医薬部外品」かによって、試験方法や被験者、判定の仕方に違いがあります。詳細は、「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」のTable1.化粧品・医薬部外品の対象とする抗シワ機能評価試験およびその周辺事項に関する考え方にまとめられていますので、ご覧ください。

3つの機器評価

ここでは、上でご紹介した3つの機器評価が、それぞれどのような評価法なのかを説明していきます。

1. レプリカによる斜光照明を用いた二次元画像解析法

レプリカは、肌のシワを精密に型取りするものです。はじめはドロっとした液状で、薬剤を混ぜることでシリコンのように固まります。

 

まず、このレプリカを被験者の目尻に塗布して固め、シワの凹凸の型を取ります。

取得したレプリカに斜めに光を当ててできる影の面積や幅から、シワ面積・深さを測定します。(レプリカ凸部が、シワがある部分になります)

 

レプリカを用いた解析方法は、レプリカ塗布時に、気泡が入らないようにしたり、破れないように作業する必要があったり、解析時の光の当て方も慎重に調整する必要があり、難易度が高く時間が掛かる方法ですが、一度レプリカを作成すれば、解析対象となる元データを正確に固定することができるという利点があります。

2. レプリカによる三次元解析法

この方法は、被験者の目尻のレプリカを取得します。そして、レプリカの三次元情報を測定装置により取得することで、シワ面積や深さを解析する方法です。

三次元測定には、下記3つの方法が提示されています。

1. レーザーフォーカス変位計を用いた三次元測定法

2. 光切断法を用いた三次元測定法

3. 格子パターン投影法を用いた三次元測定法(PRIMOS)

 

レプリカによる三次元解析では、二次元解析よりも精度の高い解析ができる点が特徴です。

3. in vivo(直接法)での三次元解析法

この方法では、レプリカを介さず目尻のシワを直接三次元測定し、シワ解析を行います。三次元測定装置は、PRIMOSやdermaTOP-Blueを使用します。

直接法の最大の利点は、測定時間が短いことです。一方で、被験者を直接測定するため、解析位置を合わせる作業の難しさがあります。

 

当社のガイドライン準拠抗シワ試験も、基本的にこのPRIMOSを使用した直接法を採用しています。

シワ指標と判定方法

ガイドラインでは、シワの解析において下記の指標を算出することが望ましいとされています※。

(1)~(5)の指標が一般的かと思います。複数の指標を解析しますが、結果は同じ傾向に落ち着くことが多いです。

(1) シワ面積率

(2) 総シワ平均深さ

(3) 最大シワ平均深さ

(4) 最大シワ最大深さ

(5) シワ総体積

※ガイドラインには「ISO標準表面粗さパラメータ」も記載されています

 

化粧品では、上記シワ指標の中で1つ以上、またはシワグレード評価で、シワ改善の変化に有意差が得られれば、「乾燥による小ジワを目立たなくする」と表示することができます。

 

有意差判定に用いられる統計解析方法は、ガイドラインには記載がありません。どのような統計解析をするかは、試験開始前に試験機関から提出される「試験計画書」に必ず記載がありますので、確認してみてください。当社の受託試験では、上記指標の(1)~(5)を解析しております。

効能表現をする際の留意点

ガイドラインに準じた試験によってシワ改善の有意差が得られた場合でも、製品や広告に表示する際には、ルールに則って表現する必要があります。

例えば、効能表示は、「乾燥による小ジワを目立たなくする。」またはこれを言い換えた表現に限られ、全てのシワに効果があるような誤解を招く表現は不可とされています。

詳しくは、日本化粧品工業連合会が発行する『化粧品等の適正広告ガイドライン』に記載されていますので、ぜひご確認ください。

ヒトに対する有用性・安全性評価データ取得は、ニコダームリサーチにお任せください。

パッケージ表示用のデータ取得をご検討でしたら、ぜひ一度当社にご連絡ください。

抗シワ試験だけでなく、ヒトに対する安全性試験(パッチテスト、RIPTなど)やその他有用性の評価も各種受託しております。

 

当社のガイドライン準拠抗シワ試験は、国内・海外で受託体制があり、迅速に試験開始できる体制を整えております。

海外試験機関では、よりシワ試験に適した環境(湿度・気温・被験者条件など)で実施できるため、データ取得の選択肢としてぜひご検討ください。