026 最終処方でのヒト試験エビデンスの意義
2026.5.28
化粧品開発において、処方を最終化する時期は、いよいよ製品としての「価値創造」をするタイミングです。本コラムでは、「最終処方でのヒト試験」の重要性について解説します。最終処方(製品)でよくご依頼いただく評価試験の事例もご紹介します。
なぜ「最終処方」でのヒト試験が必要なのか?
製品化に向けて最終化された処方で有用性評価や安全性評価を実施することは非常に重要です。
なぜなら、他の配合成分との相互作用や界面活性剤のバランス、あるいはpHの設定によって、期待したパフォーマンスが十分に発揮されないケースは少なくありません。逆に、成分単体では無視できた微細な刺激が、製剤化による浸透性の変化(デリバリー機能の向上など)によって顕在化することもあります。
最終処方の安全性を担保することは、ブランド価値を守るための必須要件です。近年、単回のパッチテストに加え、反復使用による累積刺激性と感作性を同時に評価するRIPTを組み合わせて確認する方法が業界標準として定着しつつあります。「配合制限のない成分のみの構成だから安心」という理論値に留まらず、最終製品で上市前に最終確認をしておくことが、上市後のクレームリスク低減に直結します。
また、有用性(機能性)確認の面でも大きな意義があります。近年の消費者は非常にリテラシーが高く、単なる成分名だけでなく「その製品で、実際にどのような変化が起きるのか」という客観的事実も重視します。
この「製品そのものの実力」をヒト試験で客観的に数値化しておくことが、ブランド価値を高め販促力を強化する武器になります。
よくある最終処方(製品)でのヒト試験
ここでは、よくある最終処方(製品)でヒト試験を実施するケースをご紹介します。
開発案件が、下記に該当するようでしたら、ぜひヒト試験の実施をご相談ください。
国内市場で化粧品の効能を表現できる数少ないガイドライン化された評価試験です。「乾燥による小じわを目立たなくする」を製品に表示するために、この試験の有効なデータが必要です。
こちらも当社によくお問合せいただくヒトに対する評価です。スキンケアでは王道の「保湿力」を確認するために実施します。
角層水分量や経皮水分蒸散量(TEWL)の測定など肌表面の評価だけでなく、製品を長期間使用した際の角層状態の変化を解析する評価も非常に関心が高いです。
3. 販促用データやビジュアルデータ
よくあるケースが製品リニューアルのタイミングです。従来品とリニューアル品の比較データを取得されることが多いです。毛穴やシワなど、見た目や物理的に数量がどう変化するかなどは、やはりヒトに対する評価試験でこそ得られるデータになります。
4. 安全性試験
こちらは上段でも触れたように、製品化に向けての必須要件です。最終処方で皮膚への刺激が出ないかを最終確認します。最近では、パッチテストに加えてRIPTのご依頼が増えております。
開発担当者が知っておきたい「試験デザイン」のコツ
ヒトに対する有用性評価を実施する前に、必ず試験機関から「試験計画書」というものが提出されます。試験実施に関わる要件が網羅的に記載されており、内容を把握しておく必要があります。結果を左右する要点は、特にしっかりと試験機関と刷り合わせておきたいです。下記はその一例です。
● 単回使用 or 連用使用
即時的な効果を測りたいのか、継続使用による変化を測りたいのか
● 対象品の設定
有用性の確認は基本的に「比較」による変化を捉えます。サンプルの有用性を検証する際に、何と比較すべきか(無塗布・プラセボ・既存品・競合品など)
● 被験者
製品のターゲット層(男性/女性、年齢など)に合わせるのか、ランダムに被験者を選定するのか、被験者数など
パートナー選びが製品の成功を左右する
化粧品の有用性評価では、ガイドラインが決まっていないものがほとんどです。消費者のニーズも多様化し、有用性データ取得の目的も細分化してきていると感じます。そこで重要となるのが「評価設計」です。
製品コンセプトを裏付けるデータが取得できる設計になっているか、得られるデータは客観的に信頼できるものになっているか…。検討すべき点は多岐にわたります。
試験デザインを柔軟に設計提案・相談ができる評価機関で実施するのがおすすめです。
ヒトに対する有用性・安全性評価データ取得は、ニコダームリサーチにお任せください。
当社は、試験法が確立していない新しいメカニズムやコンセプトに対しても、データ取得の目的と製品コンセプトを丁寧にヒアリングし、評価設計をご提案・実施しております。様々な条件での評価試験を実現するために、世界各国の評価機関と提携しています。
「こんなデータは取得できるか」「コンセプトを裏付けるデータはどうすれば取得できるか」といったご相談もお待ちしております。



