皮膚を知り尽くしているから、できること。

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知っていますか?選ばれる製品とエビデンス 

 

2025.3.10

化粧品業界に新規参入される企業様向けに、業界・業態別におすすめの評価試験情報を3本立てのコラムで発信していきます。

初回は、ファブレスメーカー(化粧品の企画販売)様向けにおすすめの評価試験情報をお届けできればと思います。

 

溢れる化粧品。どんな製品が選ばれる?

近年、どんなコンセプトの製品がより選ばれやすいのでしょうか?

グラフは、ユーロモニターのレポートで、消費者がスキンケア製品に求める機能のランキングです。

「価格に見合う価値がある製品」

「高品質であること」

「自分の肌に合う製品」

「機能性が高い」

などが上位にランクインしています。

そして、「専門家による評価試験済である製品」が6位に入っています!

 

ユーザーは、たとえ価格が高くても、それに見合う価値・機能を感じられたり、しっかりとエビデンスがある製品を選ぶ傾向があると言えます。

 

最近、化粧品業界のマーケティング系雑誌でも「R&D特集」や「評価試験特集」が組まれるなど、業界的にも注目が高まっていると感じます。

薬機法の関係で、評価試験結果のエビデンスデータを、そのまま広告や製品ラベルに使用することはできませんが、消費者に、製品の効能に関する情報を求められた場合は、根拠となる資料やデータを提示し、説明することが求められています。(※1)

 

※1 出所:厚生労働省医薬食品局審査管理課「化粧品の効能の範囲の改正に係る取扱いについて」

どうやって試験を選べば良い?

―まずは目的を考える

まずは、データ取りの目的を考えます。

販促用のため・医薬部外品申請のため・学会発表などの学術用など・・様々な目的が考えられます。目的によって試験の種類や被験者数などを検討します。

 

―そもそも、どんな試験がある?

試験の種類としては、下の表のような種類が挙げられます。

試験種類

手法 当社での受託
有用性評価 in vitro 評価
ex vivo 評価
ヒトに対する評価
安全性評価 ヒトに対する評価
動物実験代替法 ※お問合せください

試験手法の違いは、過去のコラム「in vitro/ex vivo/ヒト試験・・それぞれの試験が活躍する場面」でも取り上げていますので、ぜひご覧ください。

 

 

―最後に、どの試験をどのようにやるか?

製品での評価は、ヒトに対する試験を行うことが多いです。

シワ訴求のために「抗シワ製品ガイドライン」の評価を実施したり、保湿作用を確認するために、保湿・バリア機能評価を実施したりします。

ただ、同じ “保湿” 作用を確認するための試験であっても、アプローチは様々で、肌を直接測定する方法もあれば、角層を採取して角層状態を分析(角層診断)する方法などもあります。

 

このあたりは、目的・予算・納期感を考慮し、検討します。

有用性評価をするための安全性データ

ちなみに、ヒトに対する有用性評価を実施するためには、試験サンプルが安全であることが証明されていないといけません。

大前提、原料や製品の安全性評価は各社で実施する必要があります。

その上で、ヒトに対する有用性評価を実施するために、当社ではパッチテストの結果を提示いただく場合が多いです。その他にも全成分一覧や、防腐性試験により、製品の防腐効力を説明いただいております。

  情報の内容
パッチテスト  被験者40名以上の結果が望ましい (※2)
全成分一覧 化粧品表示名称の記載
防腐性試験(保存効力試験) 日本薬局方に準じた方法での防腐性情報

※2 出所:日本化粧品工業連合会『化粧品の安全性評価に関する指針2022』

 

また、倫理審査委員会も行う必要があるので、計画を立てる際には、忘れないようにしたいです。

エビデンスデータの取得は、ニコダームリサーチにお任せください

 

エビデンスデータを取りたい!・・と思っても、実は試験の実施には、前述したように事前準備から試験条件の検討など、やることがとても多く煩雑です。

 

当社では、開発段階や、目的に応じて適切な評価手法をご提案し、試験条件やプランも個々の案件によって設計いたします。もちろん、安全性試験や倫理審査委員会の実施も承っています。

 

ご検討中の製品でのエビデンスデータ取得・評価がありましたら、ぜひ当社にまとめてお任せください。

関連試験

抗シワ試験:

抗シワ製品ガイドラインで定められた評価や、機器測定による簡易評価などを受託しております。

 

肌状態測定(連用・単回):

試験品の連用による状態変化の把握や、肌データ収集を目的とした肌状態の測定を行います。