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需要高まる美容家電にエビデンスデータで差別化
2025.3.31
化粧品業界に新規参入される企業様向けに、業界・業態別におすすめの評価試験情報を3本立てのコラムで発信しています。
第2回は、美容家電メーカー様向けにおすすめの評価試験情報をお届けできればと思います。
需要高まる美容家電
新型コロナウイルス感染症の流行以降、「おうち美容」の需要が高まり、自宅でも手軽に本格的なケアをしたいというニーズが増加しています。

近年は、化粧品・美容業界に新規参入し、美容家電を開発・販売を開始する電機メーカー様も増えてきました。
富士経済の調査※によると、美容家電・雑貨の国内市場は2025年に3,336億円、2022年比18%増になると予測されています。
特に高価格帯の美容家電の需要が増加しているとのことです。
※富士経済「美容・健康家電/雑貨の国内市場を調査」
競合製品との差別化を
当社は、化粧品メーカー様や化粧品原料メーカー様から試験依頼をいただくことが多いですが、近年は電機メーカー様からのお問合せが増えております。
化粧品よりも高価な美容家電を消費者に興味をもって購入していただくには、「効果があるのかを購入前に判断できるか」がポイントだと思います。
有用性エビデンスデータをとっておくことは、競合製品と差別化をするために重要です。
美容家電を対象とした有用性評価
―そもそも、どんな試験がある?
有用性評価は、下の表のような種類が挙げられます。
手法 | 当社での受託 | 美容機器の評価 |
in vitro 評価 | ○ | ○(一部) |
ex vivo 評価 | ○ | ○(一部) |
ヒトに対する評価 | ○ | ○ |
試験手法の違いは、過去のコラム「in vitro/ex vivo/ヒト試験・・それぞれの試験が活躍する場面」でも取り上げていますので、ぜひご覧ください。
美容機器が試験品となる場合、ヒトに対する評価で実施するイメージを持つかと思います。
しかし、ヒト摘出皮膚を用いたex vivo評価も、試験条件を工夫すれば三次元培養組織モデルを用いたin vitro評価も可能です!
美容機器の試験例をご紹介します。
―スチーマーの継続的な使用による肌状態を確認したい
→肌状態測定(ヒトに対する評価)
機器測定等により、水分量や、肌表面のテクスチャー(なめらかさ)、赤み、粘弾性、キメが整っているか・・等、製品コンセプトに応じたパラメータを測定します。
長期的な連用試験では、角層を採取して角層状態を分析する方法も良いかもしれません。
即時的な効果を見たいのか? それとも、製品を長期使用した時の肌状態の変化を見たいのか?によって、試験期間を調整します。
―美顔器の併用による化粧水の浸透促進効果を確認したい
→テープストリッピングによる皮膚透過性試験(ヒトに対する評価)
前腕に化粧水を塗布し、その上から美顔器を適用します。
一定時間後にテープで剥離し、角層中の成分濃度を測定することで、皮膚透過性を評価します。
→マイクロダイアリシス法を用いた評価(ex vivo評価)
摘出手術後2~3時間以内のフレッシュヒト由来摘出皮膚を用いて、真皮に存在する物質の濃度を連続測定します。
皮膚から浸透した物質以外に皮膚内で生成された物質の測定も可能です。
皮膚透過性だけでなく、皮膚に対するメカニズム解析までしたい場合におすすめです。
―美顔器の使用強度の変化による皮膚内部の応答性を網羅的に解析したい
→パスウェイ解析(ex vivo評価)
ヒト摘出皮膚を用いて、有用性ポテンシャルを「素早く」「網羅的に」スクリーニングできる評価です。
美顔器の適用によって皮膚で変動したタンパク質をもとに、それらの相互作用や反応経路を可視化することで、効能のメカニズムが網羅的に分かります。
ヒトに対する試験ではないため、刺激となる可能性のある強い条件や長時間の適用も条件設定可能なので、美顔器の新製品開発におすすめです。
エビデンスデータの取得は、ニコダームリサーチにお任せください

製品によって使用方法が異なる美容家電は、製品ごとに試験条件をカスタマイズしなければなりません。
当社では、試験品や目的に応じて適切な評価手法をご提案し、試験条件やプランも個々の案件によって設計いたします。
ご検討中の製品での有用性エビデンスデータ取得・評価がありましたら、ぜひ当社にご相談ください。