皮膚を知り尽くしているから、できること。

ニュースレターVol.54 (2013年12月26日)

<乾燥皮膚モデル>

寒さ厳しく、空気の乾燥する季節になりました。

 

 現代人の皮膚は、冬季だけでなく、エアコンの使用などで季節を問わず乾燥状態に曝されています。乾燥はドライスキンや小ジワなどの皮膚トラブルや、老人性乾皮症、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を悪化させることがわかっています。また、最近の報告では、乾燥によって皮膚内で微弱な炎症が惹起され、これが長期的に続くことでシミ、シワなどといった皮膚の老化現象の一因となりうると言われています。角層のもつバリアー機能によって身体は保護されていますが、乾燥などの外部刺激によりこの機能が低下すると、ドライスキンとなり、上述の皮膚症状が現れることになります。ドライスキンは日常的に起こりうる皮膚症状でありながら、発生メカニズムについては不明な点も多く、様々な研究が行われています。しかしながら、in vitroの細胞培養系において、乾燥状態を再現するのは難しく、ドライスキン研究の多くは、ヒトや動物の皮膚のバリアー機能を有機溶剤などで破壊することや、テープストリッピングすることが一般的でしたが、近年では、倫理的な問題および動物愛護の観点から研究や評価に用いることが困難になっています。

 

そこで、弊社のグループ会社であるコスモステクニカルセンターでは、皮膚の乾燥状態をin vitroで再現すべく、3次元培養皮膚モデルの角層側だけを過乾燥させた『乾燥皮膚モデル』の検討を行い、第68回SCCJ、欧州研究皮膚科学会、日本薬学会第132年会および第13回光老化研究会にて報告しました。この『乾燥皮膚モデル』は、臨床で報告されている乾燥刺激による応答と同じような挙動を示すことから、炎症および角化状態を指標として、有効成分の評価をすることが可能です。これより、製品の有効性の評価だけでなく、今後は乾燥刺激による肌の反応のメカニズムの解明にもつながるものと考えています。試験詳細につきましてはお問い合わせください。

 

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