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角層から分かること
2024.12.12
角層とは?角層の役割

私たちの皮膚は、層を成した構造をしています。
皮膚の外側から、大きく分けて、表皮(角層)・真皮・皮下組織といった層からできています。
それぞれに大切な役割があり、私たちの体を守ってくれています。
角質層(角層)の主な機能としては、次の通りです。
- バリア機能: 外部からの刺激(乾燥、紫外線、細菌など)から肌を守り、体内の水分が蒸発するのを防ぎます。
- 保護機能: 外傷や摩擦などから肌を保護します。
- 免疫機能: 外部から侵入してきた異物に対して、最初の防御線として働きます。
体を外部の刺激から守るため、そして肌の潤いを保つために重要な役割を担っています。
ターンオーバーと肌の状態

ターンオーバーは、皮膚が生まれ変わるサイクルです。
表皮細胞は、表皮の最深部にある基底層から分化して、新しい細胞によって古い細胞は押し上げられ、最外層の角層にまで達し、その後垢となって剥がれ落ちます。
その期間は、通常約28日間といわれています。
ターンオーバーにかかる時間は、加齢や肌・心身の状態によって変化します。
一般的には、加齢によってターンオーバーの速度は遅くなり、肌あれや炎症が起きることで、ターンオーバーは速くなります。
肌の正常性、健やかさを測る指標として、ターンオーバーは密接に関わっていると考えられます。
角層から何がわかる?
角層は、ターンオーバーによって、いわば “肌の歴史”を刻んでいます。
その角層の状態を調べることで、今の肌状態が分かったり、サンプルを使用することでの肌の変化を捉えたりすることができます。

細胞面積
健常な皮膚の角層は規則的な六角形。
しかし、角化が不十分だと角層細胞の形状は変化してきます。
細胞面積を測定することで、ターンオーバーの乱れの指標となります。

多重剥離
あれた肌では、角層が剝がれやすくなっています。
そのため、多重剥離度を測定することで、肌あれの指標となります。
● FTSC染色
カルボニル化が進んだ角質細胞に対して染色した色素(Fluorescein – 5 - thiosemicarbazide)を蛍光発色させることで、肌の酸化ストレスの指標として用いることができます。
● 各種マーカーの測定
炎症性因子(IL-1α、IL-1Ra)を、ELISA法によって測定します。サンプル使用後の因子の変動率等から、サンプルの抗炎症作用を評価することができます。
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関連試験
被験者にサンプルを数週間連続使用していただき、使用前、使用期間途中、および使用後等の肌状態を機器測定します。
皮膚のシワやたるみの原因のひとつとして考えられる、細胞外マトリックス成分の合成・分解のバランスを測定します。